平成28年度卒業研究紹介「データベースACEを用いた利用客向けコミュニティバス情報提供Webシステムの開発」
発表者:猪口 俊樹(情報科学科)/指導教員:稲永 健太郎 准教授
コミュニティバスとは、駅や病院・役所等を中心に地域住民の生活の糧となる施設を循環する、自治体が主体となって民間のバス事業者やタクシー事業者に委託し運行する公共交通サービスである。コミュニティバスの多くでは、ICTの導入が進んでおらず、バスロケーションシステムも使われていない。そこで本研究では、研究室が取り組んでいるコミュニティバス運行管理支援システムの一機能である「データベースACEを用いた利用客向けコミュニティバス情報提供Webシステム」を開発した。
本システムはコミュニティバス運行管理支援システムのデータベースACEに登録されているバスそれぞれのリアルタイムな位置情報、利用客の現在地の位置情報、バス停の位置情報と各バス停の時刻表・行先がWebページの確認できるシステムである。TOPページに表示された地図内のバス停アイコンをクリックすることで、現在時刻以降5便分の発車時刻が表示され、各便の行先も確認できる。時刻検索のページからは任意のバス停の時刻表と行先を確認でき、ダイヤごとに一覧で表示される。最寄りバス停検索のページでは、利用者の現在地を取得し最も近いバス停を特定して表示される。
本システムの評価として、TOPページの各機能、時刻検索ページの機能を研究室内のPCから動作確認を行い、各機能において本システムからの提供情報が正しく表示されていることが確認できた。最寄りバス停検索ページの機能を福岡県遠賀郡遠賀川町役場付近にてタブレットから動作確認し、福岡県遠賀郡芦屋町のコミュニティバス「芦屋タウンバス」の最寄りバス停情報が正しく表示されていることを確認できた。
今後の課題として、同研究室で開発中の運行自治体向けWebシステムとの連携を図り、自治体独自のお知らせを表示する機能や観光案内などの情報を追加していくことで、コミュニティバスの集客につながると考える。また、モバイル端末向けユーザインターフェースの改良をさらに進めることで利便性が向上すると考える。
この卒業研究は平成28年度情報科学部卒業研究学部長優秀賞を受賞しました。
(2017/02/02 掲載。記載内容は執筆当時のものです)